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2008年5月28日 (水)

タッチしてしまった(2)

「スポーツマンシップとN君」
 2面に「スポーツマンシップとN君」の記事。A主将が投稿したものだった。N君とは私のことだった。以下は原文のまま。

                       ×××××
 私たちの学校では、各種のスポーツクラブが盛んだが、私はその活動が盛んになればなる程、各クラブ員の間にスポーツマンシップが育まれんことを願うものである。この勇敢さは、つまらぬ方向に於ける勇敢ざたではない。真の勇気を必要とする時に発する勇敢さである。スポーツマンの勇敢さの中には種々の内容が含まれている。即ち「犠牲的精神」「他を愛する広い心」「正邪を見分ける正義心」そして「実行力」。
 本当のスポーツマンとは、右の条件を具備する人物をさしていうのである。私は2年生の時、O先生が排球部を創設された当時に入部し、現在に至っている。いわゆる部内での古顔であるが、その間、2年有余にわたってのチーム生活中に私は自分の人生試練のためのよい経験をしたことを数々想い出すことが出来る。

本校連戦連敗の秋
 昨年市主催の市内中等学校バレーボ-ル大会の時のことである。場所はおなじみのD高女の体育館であった。連戦連敗の自慢にならぬ戦歴を有するわがチームは敗戦を予期してたが、勝負は時の運とでもいうものか、
T中学         I中学
  21            16           一回戦(筆者注:一セット目)
 18             21           二回戦
    第三回戦に入る
選手より観衆の方が手に汗を握る程熱戦であった。20対19。サーブは敵側にあり不利な立場に追いやられた。一瞬両軍観衆の目は等しくサーバーのボールに集合した。やがてトスを上げた。純白なボールが鮮やかな弧線を描きいてとんできた。
 中衛に落ちるか?後衛ととんだ。後衛センターN君スライディング。彼はボ-ルにとびついたのだ。N君の早業に審判は判定を下すのを忘れた。審判はN君に”ボールをタッチしましたか”と質問した。我がチームの勝敗、君の言葉一つにあり、”タッチあり”と答えれば、タッチアウトで我が方が相手に一点取られ 、ゲームはジエンドである。
 ”タッチせづ”と答えれば試合は20対20でジュースとなり、どちらかのチームが二点先取するまで試合は、続行されるのである。 しかし、N君は”タッチした”と答えた。私達は「しまった。まずいことを言ってくれた。」と思ったが、万事休す!
 21対19でI中学の勝ちと判定されたのである。(筆者注:3セットマッチ)”ゲームは楽しむもの。”N君の態度は極めて立派だった。勇敢に戦い、実力を出し尽くして戦って破れたのだから悔いはないのである。「勝つためには手段を選ばず」ということは、昔の学校の悪いことである。ゲームは楽しむためのものであって、決して勝敗にこだわる必要はないのである。これは決して敗者の慰めでない。「惜しいな。余り正直すぎたね、あの選手は」等とN君の正直さを非難する声も場内には幾分あったけれども、私達は決してこの敗戦を悲しいとは思っていない。
 むしろ立派なスポーツマンを見出したことを誇りに思っている。試合に勝つことも大事でしょう。しかし、それ以上に大切なものがスポーツマンシップだと思っている。
                                                             -了-
                         ×××××

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